バニラやストロベリー、ミントなどが並んでいる。
「食べるか?」
「え?」
「お前、好きなんだろ」
檻を挟んでいた時、好物の話を振ってきたことがあった。
シーラはバニラが好きだと言っていたのだ。
「覚えていたの」
「お前の話していたことは大体覚えている」
ルイスは店員にバニラをひとつ注文した。シーラがきょとんとした顔をして、それを止めた。
「私、食べないから」
「どうして?」
「お腹空いてないし……。食べるなら自分でお金出すから」
鞄から金を出そうとする横で、ルイスはバニラのアイスを受け取った。
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