手にはお盆。その上にはトースト、サラダ、ベーコンエッグ、コーヒーが乗っている。
「他には、露店が出たり?」
シーラの質問に老人も顔を上げた。
「店も出るし、広場で寸劇や大道芸が行われたりするよ」
「それは、多くの人が参加するんでしょうね」
「ああ、この街じゃあこの祭くらいしか一年間に大きな催し物はないからな」
お礼を言って、シーラはルイスのテーブルにモーニングを置いていく。
きちんと並べられたそれを見て、ルイスは口を開いた。
「お前、器用だな」
「あら、どうして?」
何でも出来る、そして染まる。



