老人の上品な笑みが移ったように、ルイスも笑んだ。
それから、老人が持っていた地域新聞に目をやる。この街だけの新聞らしく、革命家たちのことなどは載っていない。
「……祭があるんですか?」
「ん? ああ、明日から三日間。一昨年からやってるものでなあ、結構大がかりなんだよ。今年は王都があんなことになってしまったから中止にするかと思ってたが、やるみたいだな」
「大がかりっていうと」
「まず、大通りを車で移動は無理だ」
足音がして、ルイスはそちらを見る。シーラが同じようにその地域新聞を覗いていた。
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