対してルイスも、何故出てこないのか、とシーラを見下げていた。

「……ああ、貴方はそういう人だった」

そうそう、と一人納得してシーラは頷く。

「何の話だ」

「いいえ、こちらの話」

ルイスの手が差し出されるより前にシーラは降りた。
森の中にある別宅とは違い、多くの足音、人の声がした。

道路から響く車輪の音に、シーラはそちらを向く。

「久しぶりに人を沢山見る」

沢山、というほど人がいるわけではない。

しかし、あの牢屋にいた期間を考えると、ルイスやその他の人間の数を見るよりも今ここで見る方が多いのだろう。