「王女なんて、いてもいなくても同じだから気にしたことが無かったわ。王族の一覧で名前を見たことはあってもね」

シーラの目には脅威として映らなかった。
ルイスはカッパーの瞳をシーラの方へ向ける。

じゃあ、と問うてみたかった。

―――じゃあ、シーラの脅威とするものは何だ?






街に入り、てきとうな宿の駐車場へ車を停めた。

シーラは本を鞄に入れてシートベルトを外していると、先におりたルイスがその扉を開ける。

何かあるのか、と驚いてそれを見上げてしまった。