「私たち、きっと出会い方が違ったらとても仲良くなれたと思うわ」
「それは無い。断言できる」
「だからきっとルイスも砂田屋のバニラを好きね」
類は友を呼ぶという。それを信じているのかどうかは兎も角、シーラはにこにこと話した。
ルイスはそれを見て、違和感しか覚えられない。
「お前、自分の置かれている状況わかってるのか?」
今まで牢の中にいた人間を見てきたが、こんなに陽気な人間は見たことがない。
陽気、というか能天気というか。
「あと数日すれば民たちが大きな暴動を起こす。それこそ、この国がひっくり返るような」



