既に外に出てしまっているシーラの手を握る。 「シーラさんもですからね。ルイスさんをよろしくお願いしますね」 まだ細いが、最初に比べればまだ戻った腕を見てマリアは涙をこぼしそうになった。 「はーい」 子供のような良い返事。 その日、二人はローウェル家別宅を出発した。 「本当に広いのね、この森」 「ああ、昔よく迷子になった」 森を抜けるまでの道を走っていく。開けた窓から風が強く入ってきた。