シェヘラザード、静かにお休み


コーヒーのお替りを持ってきて、ルイスの前にそれを置く。

「話を聞く限りでは」

「そんな危険な所へシーラさんが行く必要があります?」

そのコーヒーに口をつけようとした所で、マリアが口を開いた。ぴたりとその動きが止まる。

パンを食べ終えていたシーラはマリアを見上げた。

「……シーラさんはお城にお勤めになっていたんですよね?」

昨夜の話し合いを聞いて、マリアも薄々勘付いていた。王族をそれほど敬っていないことや、革命家への気持ちを聞いて、違和感を覚えない方が可笑しいかもしれない。

ルイスはさっとシーラの方を向いた。