言及は尤もだった。ルイスとてその可能性を考えなかったことはない。 というより、別宅へ戻ろうとして母親に散々質問をされたのだ。確かに、わざわざ本家まで行ったのに別宅に戻る意味がない。 荷物がとか、資料が、などと言い訳を並べていると更に訝しがられ、偶然通りかかった父親に救われた。 「素性の知れない女を別宅に泊めてるって言うよりも、城で知り合った友人と協力してるって言った方が、聞こえが良いと思う」 シーラが自ら船を出した。 それが助け船なのか、転覆寸前の船なのかは、誰にも分からない。