シェヘラザード、静かにお休み


幼い頃のルイスを想像して、シーラは微笑んだ。

「言ってみて、僕って」

「断る」

「つまんないー、眠れないー」

ああまたこの流れがきたか、とルイスは呆れる。
結局、シーラの思うように運ばれていくのだ。







肩口の温かい感覚に目が覚めた。レースカーテンから洩れる朝日が直接顔に射している。

眩しさに目を細めて、その正体を探る。まさか猫でも入ってきたんじゃなかろうな、とそちらを見た。

……どうしているんだ。