シェヘラザード、静かにお休み


前の者の制服には、王国から与えられる星が付けられていた。しかし、目の前に座るルイスにはそれがない。

「犯罪者が増えて、牢屋番の数が足らないの? それで王国は外部の人間を雇った」

「知らない」

「衛兵の数が前より倍くらいいる」

取り押さえられたときのことを思い出していた。仲間はみんな死んだが、それを運ぶ数も想定していたよりも多かった。

「……それは推測か?」

「国が国民を買収しようとしてるのかも」

「推測にしてはぶっ飛びすぎてる」

「そうじゃないとつまらないでしょう」

持っていた本を机に置いたルイスがシーラの方を見る。