人差し指を立てる。ひとつ。
「あとは、お庭の手入れ、焼き菓子なら少しは作れるわ。ただ料理は殆ど出来ない」
ふたつ、みっつ。
「あとこの髪の毛、結構な長さがあるし売ることも可能だと思う。青い瞳と白い肌で、身体だけでも外国だったらまあまあな値がつくでしょう」
その手がおろされる。
「私は本当は死んでいたのよ。それをルイスに救われた。だから、貴方の好きなように処分してくださいませ」
冗談のように笑った。
ルイスが帰ってきたらこういう話をしなくてはならないことは分かっていた。
ただ、夕食前のこの短い時間にするとは思わなかったが。



