マリアに消毒液を吹きかけられて飛び上がったシーラは二階の自分の部屋へ引きこもっている。
「散々こき使われて帰ってきましたよ。車を停めて玄関に立ったら庭の方でガサガサ音がしたもので、行ってみたらシーラが座り込んでいて」
「ああ、だからお庭に現れたんですね」
ふふ、とあの場面を思い出して微笑むマリア。どうしたって笑むことの出来ない場面だったが。
「随分お庭片付きましたでしょう。シーラさんがお一人でやったんですよ」
「それはすごいけど……どうして大人しく家で本を読んでいられないのか」
はあ、と額に手を当てて溜息を吐く。



