畑の方は一段落して、花壇の外の雑草を抜いた。
牢屋の中で口にしたあの言葉が今になって反芻する。
『出会い方が違っていたら、とても仲良くなれた』
ルイスを絆す為に使った言葉だったが、心から思っていなかったわけではない。
しかし、こうしてここまで来てしまった今、自分の言葉が嘘になろうとしていた。
もしも檻を隔てた出会い方でなければきっと……。
がっと強い力で腕を掴まれた。その気配の無さの方に驚き、シーラは顔を上げる。
「何やってるんだ」
久しぶりに見た顔は顰め面で、それもまた懐かしいと感じた。
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