しかも実家があり、城の近くに自分の家も借り、別宅も持っているという誰がなんと言おうと正真正銘のお坊ちゃん。
マリアが久しぶりに見たルイスのことをそう呼んでいたのを思い出す。
「家業って何をしているの?」
「領主……と今は言いませんね、地主です。ローウェル家は代々ご令息が継いでるみたいです」
ローウェル、と聞いてシーラはマリアの方を見た。
まさか、とは思うが。
「この森一帯、もしかしてローウェル家のもの……?」
「ええ。この森の端にあって、西の端に建っているのが本家になります」
明日は晴れです、というテンションで教えてくれる。



