いや、恨んでも意味がないというのが事実か。
人間の恨みは、生きているからこそ有効なのだ。死んだ人間を地獄に落とすことは生きている人間には出来ないことだから。
「だから、こんな制度にした国が悪いという結論に至ったの」
ルイスは普通にお喋りタイムに突入していることに気付いていたが、咎めるのが面倒になっていた。
「きっと今、上では大きな会議が開かれてるんでしょうね」
「だろうな」
「革命家の処刑は賛否両論。ただでさえピリピリしている国民がそれを見て、更に大きな暴動を起こすかもしれない」
シーラは片足を抱く。それから光の射す方向を見つめた。
「それは紙一重の決断」



