恐ろしいことが起きている、とシーラは実感した。
それから、その恐ろしいことに加担していたのだと。
平等を叫ぶ覚悟は出来ていた。しかし、この手で国の方針を決めようという覚悟はしていなかった。
じゃあ、もしもあの時、革命が成功していたらどうしたのだろうか。
シーラが拳銃を持ち、城内の警備隊を一人ずつ狙い撃つ。死んで倒れていった人間を埋葬するのか?
テレビの中のコメンテーターがヒステリックに言う。
『この国は終末を迎えようとしているのかもしれません!」
テレビを消した。二階にあがり、自分の部屋に入る。



