その泥だらけの顔にマリアは短く悲鳴を上げ、そこへ駆け寄る前にストップがかけられた。

「そこやっと柔らかくなったから!」

「え? あ、ああ、ごめんなさい」

確かにマリアが足を踏み入れる少し先には周りと違って柔らかい土が広がっていた。シーラはワンピースの下にどこから持ってきたのかズボンを穿いている。

「シーラさんがこれを……?」

「多分ここから丁度畑だったみたいなので。花壇の方は後日やります」

「そんな……ルイスさんに頼んで業者を呼びましょう」

立ち上がったシーラは、頬を擦ってまた泥がつく。