シェヘラザード、静かにお休み


背中をシーラの方へ向ける彼に強請る。面倒そうに天井に身体が向いた。

何も語られないのを見れば、

「明日、私も一緒に行きたい」

願望を口にする。

「……却下」

「絶対車の外には出ないし、静かにしてるから」

ルイスの眉間に皺が寄るのが分かった。シーラにとってそんなものは想定内だ。

「運転中の話し相手も必要でしょう?」

「必要としていない」

「疲れたら運転も代われるわ」

それは最期の切り札。
ルイスが起き上がった。

「マリアは極悪人じゃない」

ぴくりとその笑顔に強張りがみえる。