シェヘラザード、静かにお休み


その割にルイスとは慣れ親しんだように話す。

「ルイスさん、お母様は何と?」

国の行く末を案じる二人とは裏腹に、マリアは二人の行く末を案じていた。

「ああ……一度家に帰ってこいと言われた」

「まあ、それが良いでしょうね。とても心配してらっしゃいましたし」

「あの人は何かと心配性なんだ」

溜息を吐くルイスが、視線を感じてシーラの方を見る。

じっとその顔を見られて、決まりが悪い。

「何だ」

「行くの?」

その質問に、ルイスは少し驚いた。シーラは行った方が良いと言うと、何となく思っていた。