「ねぇ、数学準備室に響行かなかった?」


響ちゃんは、私たちのクラスで芽衣の幼馴染。



山本 響(やまもと ひびき)。


狙った獲物は逃がさないタイプで、きっと多分

松尾も狙っている。



「来てないけど……

もし来てて私が気づいてなくても、多分松尾は気づくと思うし」


松尾が気づかないわけない。



だってドアのほうずっと見える位置にいたしね、松尾。


「そっか。

ちょっとあの子怪しいから、気をつけて」



そう言って芽衣はどこかへ行ってしまった。



これが、私たちのこれからの事件になるとも知らず

私は家に帰った。


あのとき、もっと慎重になって気をつけていれば

こんなことにはならなかったのかな。