目を開けると見慣れない白い天井。







身体を起こそうとしたけど全身が痛い。








あれ、私...







「あ!」






「さきこ!」





「お母さん...」







そうだ、私は事故に遭って...






「お母さん!しゅうは!」






「さきこ、目が覚めてよかった...。







しゅうくんも、ちゃんと無事よ」








「よかった...」









『守ってくれた人が...』







そうだ、しゅうが言っていた人は...








ーガラッ




「さきこー!」







「しゅう!




大丈夫?」






「おう!見ての通り!」








「ねぇ、あの人は?」








「あの人?」








「ほら、しゅうが言ってたさ、





守ってくれた人って...」








しゅうが頭を傾げる。







「何言ってんだ?」







「え、ほら、しゅう言ってたじゃん?






守ってくれた人が、血いっぱい出てるって」






すると、しゅうは一瞬顔を歪ませた。






でも。




「さきこ頭打ったか?





俺そんなこと言ってねーよ」









「え、言ってたじゃん!」









「お前の思い違いじゃねーの?





っ頭痛てぇ...」








「あ、ごめん、大きい声出しちゃったね…」










しゅうは何を言ってるんだろう。





それとも、本当に私の思い違いなのかな。






でも、確かに言ってたと思うんだけどな。







でもしゅうが覚えてないってことは、






私の記憶違いとしか思えないよね...








事故のショックで悪い夢でも見たのかな。