部活が終わって下駄箱に向かう途中に、陸上部の声が聞こえてきた。










乱暴に靴を取り出して履く。








走りやすいお気に入りの靴だ。







あの頃は全て輝いて見えた。





この蛍光の靴も。










「ファイトー」











聞きなれた声がした。













目の前に影が落ちて思わず顔を上げると、見たこともないくらい真剣な顔をしている柊羽がいた。













「え、柊羽って...」














「この間の続き」













「この間?」
















「俺、陸部に入ったんだ」












「え...」




柊羽が陸部に入った。











柊羽が...。















「なんで」














「俺はお前のヒーローでいたいんだよ」





















『しゅうは、さきのヒーローだよ!』








『ヒーロー?』







『うん!だからこれからもさきのこと守ってね』









『分かった、約束する!』
















遠い昔の君との約束。