ただ目の前に彼の顔があって
「今日は救急で診てくれてありがとね、またね」と慣れた様子で頭を撫でられ帰って行った。
すぐにクリニックに戻りカナちゃんに確認する。




「私、今……やられたよね?」




ずっと見てくれていたカナちゃんはそっとソファークッションを手渡してくれて「うん、やられたね」と言ってくれた。
こうなると周りのスタッフも理解を示してくれる。



私のストレスがキャパを越えた時、ソファーのクッションを思いきり下に向かって殴るのだ。
「うぉー!」と雄叫びながら。



やられた………
一瞬だったけど確かに頬にキスされた。
ムカつくムカつくムカつく…!!




「うぉーーー!!!」