「皆さん、健康診断お疲れ様でした。今日はここまでで終了です。明日は新入生テストがあります。忘れ物等ないように気をつけて登校してきてください。では解散。」


わぁー!っと生徒が帰り支度を始める。

私も帰る準備をして瞳の元に向かった。


「瞳、帰ろうか。」

「うん。晴大丈夫?しんどくない?熱上がってるでしょ、顔がさっきよりも赤いし。」

「…」

「今日は早く帰って寝よ。」


なんか出鼻くじかれた感じ?先に心配されちゃった。でも瞳が言うことも一理ある。だから今日はあんまり聞き出さずに瞳の言う通り帰って寝よう。

ただし、ちょっと仕返ししてから。


「瞳もでしょ?そういう瞳こそ顔真っ赤だし。熱上がってるでしょー。2人とも早く帰って寝た方が良さそうだよ、無理しないで。」


そう言ってちょっと微笑む。

瞳も泣き笑いみたいな顔になった。


「うん。」

「明日またいろいろ話そ。」

「…うん。」


ちょっと間があったけど承諾してくれた。きっとなんのことを言ってるのか察したんだろう。
まあ承諾してくれただけでもオッケーだ。


ということでふたりでなんとなく励まし合いながら家に帰った。


「じゃあね。」

「ゆっくり休んでね。」

「瞳もね。」

「うん、ありがと。」


私の家の前でわかれる。瞳の家は近い。斜向かいだ。最近はあんまりお邪魔しに行ったりはなかったけど。

私たち、親が厳しくて中学卒業までは親がいない時に友達を家にあげちゃいけないって言われてた。それに親は私のところも瞳のところも帰ってくるの遅かったから。

高校生になって親が居なくても瞳は来てもいいよってなった。瞳のところも同じらしい。私は行ってもいいみたい。ありがたいね。


そんなことを思いながら家に入り、制服から部屋着に着替えてベッドに横たわる。


やっぱり体はしんどかったんだなと苦笑いする。

横になったら体が重くて動きたくない。そのまま眠ってしまった。