王子と私の恋愛事情。



そう言ってお手上げのように机に顎を乗せて疲れ果てた顔の嵯峨くん。

そんな顔の嵯峨くんの顔が可愛くてつい見とれちゃってた。


「おーい委員長〜聞いてんの?教えてくんないと日暮れちゃうけど?
俺はいいけどさ、委員長が嫌なんじゃねぇの?」

「べ、別にこの後なんの予定もないから日が落ちたって大丈夫だけど?」

「へー暗い教室で男と2人っきりになっちゃうけど?
もしかして…この前の続き、したかった?」


まんまと自分から嵯峨くんが仕掛けた罠にはまりに行ってしまった…

私の顎に手を添え親指で私の唇をなぞる嵯峨くんを前に自分のにぶさを感じる。


「そ、そんなんじゃないよ!お、教えるから早く帰るよ?」


そう言って香水のいい匂いがする嵯峨くんの手をさっとどけて問題を見る。


「ふーん。俺は割と乗り気だったんだけど…
莉奈と教室でイケないことすんの。」


ほらまた平気でそういう事を言う。


「いじけてもダメ!ほら、するよ?」


少しだけへの字に曲がった嵯峨くんの口元を見ながらあえてぶっきらぼうに応える。