「お前、何莉奈に手ぇ出して……」
「嵯峨くんが俺に手出してるとか言える立場?」
晶の手に少し力が入る。
「……っ………。」
嵯峨くんはぐっと怒りを抑えてるのがわかった。
「も、もう!仲良くしようよ!せっかくのダブルデートなんだしさ!」
「別に、俺は嵯峨くんに莉奈とラブラブなとこ見せびらかすためにオッケーしたもんだし、仲良くなんてするつもりないけどね。」
「ごっめーん電車遅れちゃっててさ〜…
行くよ〜」
ピリピリした空気なんてそっちのけで明るい声の乃愛がかけてくる。
そのまま遊園地に入ることになった。

