「晴人くん?もしもーし」
「わりぃ、考え事。」
「今度が莉奈と晴人くんがくっつくチャンスなんだから!ちゃんと聞いてよね〜」
俺の目の前で後ろ歩きしながらふくれっ面の岡本。
「岡本はさ、なんで俺と莉奈をそんなにくっつけたいわけ?」
「……まだ莉奈にも言ってないんだけど、私ね晶くんの事好きなの。」
「は?あんなやつのどこがいいんだか。」
あいつとは悪い思い出しかない。
この間だってわざわざ放課後俺の所まで来て
『嵯峨くんって最低。もういいよ近づかなくて、俺が莉奈の事守るから。』
そう言った。
んなこと俺だってわかってる。
「あいつは莉奈の事好きなんじゃねぇの?」
「知ってるよ?だから付き合っちゃう前に莉奈と嵯峨くんに引っ付いてもらおうって。」
「岡本って見た目によらず腹黒いな。」
ポニーテールの頭に童顔な顔からどうやったらそんな腹黒い考えが出てくるのか。

