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「はい、お茶。沸かしたてだから熱い……

「アチっ………」


ほら言わんこっちゃない。

猫舌の君のためにわざわざ教えてあげたのに。


ちょっぴり舌を出して少し涙目でこちらを見つめる晶がおかしくてつい笑っちゃった。


「笑うなよ。」

「ごめんごめん。それより話って何?」


帰り道、晶は学校じゃ話せない事。だから家が良いって言ってた。


「うん、その……あいつと…キス…してたってほんと?」


少し申し訳なさそうな顔で晶が聞いてくる。


「なになに急にどうしちゃったの。仮の彼女だよ?そんな事するわけないじゃん」

「ほんとなんだ…その嘘ついたらした唇噛む癖昔っから治ってないね。」


指摘された私は思わず唇を元に戻す。

晶は無表情のまま。


「別に嘘つかなくても良かったのに……
ほら、これ見て。」


見せられたのはスマホの画面。

その四角い画面の中にキスする男女。

それはどう見たって私と嵯峨くん。


……うそ……誰がこんなの……

撮られてたなんて気づかなかった。

私の頭はパニック状態。