体育館の裏まで来ると掴んでた腕を放して嵯峨くんは私の側にしゃがみこむ。


「お前なぁ、架空でもカップルなんだから嵯峨くんなんて呼び方やめろよ」


私の言い方を真似てるのか口をとんがらせて少し高い声でバカにしてくる。


「別に嵯峨くんの事好きでもなんでもないのになんで嵯峨くんじゃだめなの?」

「俺だってお前と付き合いたくて付き合ってじゃねぇって
人前では晴人って呼べよ」

「………」

「返事ないんだけど、俺の言うこと聞けねぇの?」

「……」


こんなやつの言いなりになってたまるもんか!

絶対断る!


「あっそ、じゃークラスのヤツらに変態地味子ってばらしちゃお〜」

「うわぁぁぁあ!それだけはダメ!
呼びます呼びますから」


はい、折れました。

やっぱりそれ言われると断れない。


「よろしい」


嵯峨くんはニヤッと笑を浮かべてる。

やっぱりこいつ嫌いだ。

こんなやつとカップルなんてやっていけっこない…