中島くんとはそこで話が終わって、あたしはバイトに向かった。
今日は、あのふたりを絶対、見たくない。
って思ってたけど、そんな都合よく物事は動いてない。
「いまいさぁーん、これどうするんですかあー?」
「これ、わかりませぇーん」
「いまいさぁーん、ちょっとこっちきてくださぁーい」
こんな、調子。
ユウスケ、って呼んだり、
タメ口で話すのはふたりっきりのときだけみたいだった。
・・・アシダさんの声がすごく耳障りだと思ってしまう。
アシダさんがもう少しちゃんとした人だったら、
あたしも諦められてたのかもしれない。
こんなにどす黒い感情が渦巻いてなかったかもしれない。
でもこんな感じだから、イライラして、ムカつく。
胸が苦しい。
今井さんは、なんでこんな人がいいんだろう。
それに、こういう人が今井さんのタイプなら、
あたしなんて程遠い。
アシダさんと婚約してなかったとしても、あたしには振り向いてくれなかっただろうな。
あたし、決めた。
今年中にここのバイト、やめよう。
こんな気持ちじゃ、続けられない。
理由が理由だけど、やめたい。
やめよう。
ほかのところ、探そう。
今井さんと会えなくなるけど、
会えない方が気持ちが薄れそうだし、
どうせ叶わないんだし、
前に進めていいかな。
はやくこの気持ちを、なくしたい。



