「コハル~!おはよ~!!!
会いたかったーーーーーー!!!!!
今日は大丈夫なの?」
学校に着くと、
アイちゃんがいつもの倍くらいの勢いであたしに駆け寄ってきた。
「うん、大丈夫!
メール、ありがとね。
アイちゃん、、、
1日会わなかったくらいで大げさすぎだから。」
「だって~!
いいじゃん、
心配してくれる友達がいるって幸せだよ~?」
そう言って、あたしの腕をバシバシ叩いてくる。
それ自分で言っちゃう?アイちゃん笑
「そうだねー。ありがとーございまーす」
「むっ、むむむむっ」
「ごめんって。ほんとに感謝してるから!
アイちゃんからかうの面白いんだもん。」
「え、ひどい!
あたしのことからかって楽しんでるとか!
中島と同類じゃん!!」
中島くん・・・笑
「あ?なんか言ったか?」
中島くん・・・笑
いつからいたの?笑
「いえいえ、なんっっにも言っておりません。」
「そうかぁ~?
まあいいわ。
それより田代とどうなわけ?」
「なんっにも進展ないっ!!!
はあー、
ほんと、どーすればいいんだろ・・・」
うなだれてがっかりして見せるアイちゃん。
ほんとに田代くんが、好きなんだねぇ。
「そんな木村にこの中島様からの朗報がありまーす」
そう言って中島くんはニヤッと笑った。
「え、なになになに!?
その言い方、ちょームカつくけど教えて!」
「その言い方も、ちょームカつくけど教えてやるよ」
2人とも、仲良い・・・。
この2人が付き合うっていうのはだめなんでしょうか。
なーんて、口が裂けても言えないけど。
「なんと、、、、、、
田代には、
彼女いません!!!」
「・・・え、ほんとに!?ほんとですか!?
えぇーーーーーーー!!!」
「ほんとだわ。俺が聞いてやったわけ。
感謝しろよ」
「うわー、もうありがとうございます中島様ぁ!!!!
中島様ぁ~~~~~~!!
ありがとうございますっ!!!!!!!」
「アイちゃん良かったね!!!!!!」
「うん、ほんとによかった!
コハル~~~~!!!
じゃあラインしてみても大丈夫かな!?
彼女いないならいいよね!?」
「う、うん。いいと思うよ。
あたしそういうのよくわかんないけど」
「あーーーーーーー、うれしーーーーーーー!!!
あたしがんばる!!!」
「うんっ。応援してるから!!」
「ありがとーーーーーーーーー!!!!」
「・・・で、今日の小テストの勉強した?」
「え、小テスト?」
「うん。今日、古文単語の小テストだよ」
「う、うそーーーーーーー!
コハル、テキスト貸して~~~~」
幸せモードから一気に焦りだすアイちゃん。
表情豊か、っていうか、
見てて飽きないし一緒にいて楽しいし
小動物みたいでほんっと可愛い。
「はいはい。」
「あーそんなんじゃ、田代は振り向かねーなぁー。
アイツ頭良いもんなぁー。
彼女になる人はきっと頭いい人なんだろうなぁー。」
「う、うるさいっ。中島っ。
い、いまから頑張るから!!!」
そう言って自分の席に光の速さで戻って勉強し出すアイちゃん。
ほんと、面白い子。
太陽みたいな、感じ。
アイちゃんを見ながら微笑ましく思っていると、中島くんが話しかけてきた。
「佐藤さん、木村とそんなにタイプ似てないけど仲良いよな。」
「うん。あたしもそう思う、けど、
アイちゃんと一緒にいると楽しいんだよね」
「ふーん。
あー、
あのさ、
佐藤さん、木村の恋愛相談してやってるけど、
彼氏とかいんの?」
「わ、わたし!?
いないよ!?というかいたことない!!」
中島くんは目を少し見開いた。
「マジで?
まあ恋愛しそうに見えないっちゃ見えないけど。
木村の相談に乗ってっから彼氏でもいんのかと。」
「あー、全然いないですねー。
他人の恋を応援するのは楽しいから、相談乗ってるだけかな」
へー。と頬杖をついた中島くんが、
ちらっとこっちを見た。
「好きなやつとか、いんの?木村みたいに。」
「それもいない。
んー、
あたしは恋愛とは無縁の人だと思ってください!!」
なんか自分で言ってて悲しくなってくるんですけど。
「恋愛する気はあんの?」
「うーん、まあー、
好きな人ができれば、ね」
「へぇー。」
「中島くんは?」
「俺?今は彼女いない。
中学のときいたことはあるけど。」
やっぱり。
中島くんは、恋愛経験ありそうな感じ。
「好きな人は?」
「んー。
気になってる人、はいるかな」
こ、ここにも恋をしてそうな人が!!!
「え、だれだれだれ!?」
「ちょ、食い付きすぎな。
さーーーね。」
「も、もしかしてアイちゃんとか?」
あたしがそう言うと、
中島くんはぶっと吹き出して、むせた。
「そ、それはねーわ!!!
さすがにそれはねーよ!!
アイツが彼女とか、マジうける!!!!!
ムリムリムリムリムリ!!!
てかそうなら、田代のことそんなに協力しないだろ」
中島くんは爆笑しながら否定しまくった。
「た、たしかに。
そっかあ。
じゃあ、あたしの知らない人かあ」
「そ。そういうこと。
あ、木村には言うなよ?
アイツぜってー、うるさいから」
たしかに。
アイちゃんめちゃくちゃ騒ぎそう。
すごく想像できる。
「わ、わかった。
ありがとね。教えてくれて」
「ん。」
中島くんも好きな人、いるのかあ。
みんな、恋してるんだな・・・。
いいな・・・。
あたしも恋がしたいっ!!!!!



