昔々とある2つの大国が互いに支配せんと大きな戦争をした

その戦争は世界を揺るがす大きな大きな戦争だったのだが、1匹の龍によって終わりを告げる


ーー眩い光を放つ龍の存在に、その場にいた者達誰もが唖然とし、目線を奪われる


そんな中一人、純白のやや血塗れたローブを着た聖女が血なまぐさい戦場の中に立っていた
聖女は持っているワンドを強く握って祈りながら呟く


「人々の憎悪が渦巻き混沌に塗れし時、かの者現れ裁きの制裁を降り注がん…。あぁ、神よ…なぜ人はこうも強欲で身勝手で争いをするのでしうょか…」



ーーーパタン

と本を閉じ男はボヤく

「何か絵本にしては偉く黒い内容の作品だ……。ここに置いてある本はどれもそうなのか?」


都会に似合わない古い見た目に内装は長い年月使われていないことが本棚の本達につもりに積もった埃が物語っている
それ以前にファンタジー本しか置いてなく無人という少し不気味な本屋で、スーツを着た中年の男性がぶつくさ独り言を言いながら趣味であるそのファンタジー本を物色していた


この不思議な本屋を見つけたのは少し前に遡る
そこでこの男に人生最大の出来事が起こる時間はすぐそこに迫っていた……