要side☆*゜

どうしてこの人は、俺の気持ちがわかったんだろう?

特技はポーカーフェイス。

感情を誰にも見せたくないときは、望み通りにだれもわかってくれなかった。

どうしてこの人は、茉優という人は、俺の心に入ってこれたんだろう。

不思議だった。


「はい、座って座ってー」


言われた通りに座る。


「単刀直入に聞くけどさ、なんかあった、よね?
すごく辛そうな顔してる、窪田くん。」


「知り合ったばかりでちゃんと話したのも初めてだけど、うん、言いたいことあったら聞くよ?」


「要って呼んでください。」


「要。」


不覚にも笑ってしまった


「ごめんなさい、今言ってほしかったわけではなくて、これからそう言ってほしかっただけです。」


なんて素直な人なんだろうと思った。


「お!笑ったとこ初めて見た。」


そう言って茉優も笑った


いじわるしたくなってくる。



メガネを外す。


「好きな人とかいないの?」


「いないよー、来たばっかだもん」


「本当かい?」


「ほんと...」


ぷに。


茉優のほっぺたは柔らかくてさらさらだった。


いじわるく笑ってみる。


「茉優さん、ほっぺたぷにぷにで気持ちいい」


茉優の顔が赤くなる。


「そ、そういえばテストどうだったの?」


なんて話逸らしたりする。

答えてあげよう。


「社会で1問間違えた、井伊直弼のとこ」


「あっそ。」


そう言うと茉優はさっとどこかへ行ってしまった。

豹変と言っていいほどの態度の変わり方。

俺は何をしてしまったのだろうか。




井伊直弼?