翌日の12時。

私はワンピースを着て、高級レストランの前にいた。

こんな高級レストラン来たことない。何度も母からメールで送られてきたレストランがここか確認した。

ギイとドアを開けた。

「水沢様ですか」

「はい」

店員について行く。

「有紀、久しぶりー」

兄が私を見るとにっこり笑った。

兄は誰が見てもイケメンと答えるくらいのルックスの持ち主だ。
まあ、和海には負けるが。

「久しぶり」

私は母の隣で、兄の正面に座った。

「お父さんは?」

「ちょっと遅れるそうよ」

母はドレスに身を包みいつもより力をいれて化粧している。
父に会えるのが嬉しいのだろう。

「あ、来たわよ」

だから、父の登場に一番に気づいた。

父は席に座ると店員に料理を注文した。

「有紀、今日はすまんな。話は聞いた」

父はそう口を開いた。
心なしか、空気が張り詰めた気がする。

「今日集まってもらったのは話があってな」

とても嫌な予感がする。

「有紀はmizusawaグループは知っているか」

mizusawaグループは様々な分野に手を出している大手企業メーカー、というくらいは知っている。

「俺はそこの社長だ」

…………………………………はい?

「ちなみに俺は副社長」

兄が言った。

「意味分かんないけど。もしかりに本当だとして、なんでそれを今まで私に黙ってたの」

「有紀には広い世界を見てもらいたかったんだ」

父が水を飲みながらいった。

「それに、もし有紀がそうなったら大翔がそうなったように有紀にもボディーガードがついて、四六時中誰かといることになる」

「有紀を産んだときにお父さんと相談して、大きくなるまで秘密にしようって話になったの」

父と母が言った。

「それでね、今有紀にお見合いの話が入ってるの」

「お見合い!?」

私は大声を出した。