一通り凪と遊び、太陽も傾きはじめた頃。
 砂浜に戻った私は波から少し離れた所で、私よりも先に体力がなくなって倒れた凪の隣に座る。



『んーっ!疲れたぁ~!
でも凄く楽しかったぁ~!』
『そうだね、僕も……もうクタクタ……動けないや』
『そういえば此処って夕陽も綺麗に見える場所だって聞いた事あるんだけど……しばらく眺めてから帰らない?』
『へぇ……綺麗に写真撮れるかな』
『帰るまでまだ時間あるよね、凪…良いよね?』
『う……うん。ちょっと遅れるぐらいなら大丈夫かな。』



 私の提案にも凪は乗ってくれた。
 凪は体に付いた砂を軽く落として、堤防まで移動した。
 準備の早い凪はカメラを持ってスタンバイをしていた。
 海に夕陽が半分隠れた時……



『う…………わぁ……』
『凄く、綺麗だね』
『うん……感動した』



 綺麗な景色にしばらく呆然としていると、隣で凪が写真を撮り始めた。
 そして、一歩下がって夕陽と私をカメラ越しに収めて、質問を重ねた。



『ねぇ水乃ちゃん……
もう一度聞いても良いかな……』
『え?』
『今日、何で僕を誘ってくれたの?』
『それは……
覚えてない人に言ったって意味無いでしょっ!』
『え……』
『ふん、もう帰ろ
流石にこれ以上遅くなると、怒られちゃう』
『あ……
水乃ちゃん、待って!』
『…………バーカ……』



 何で覚えてないのに何回も聞くのよ
 もしかして、あの時の約束を思い出してくれたんじゃないかって……期待しちゃったじゃない。