あたしは、この手を取って
正解だったのかもしれない。


あたしの気持ちを知ってもなお、
こんな風に温かく包み込んでくれる人はいないよ。


繋がれた手を握り返すと、
松田くんは更に強く握り返してくれた。


まるであたしの気持ちに
応えてくれているみたいに。


「ねえ、浩平って呼んで」


「こ、浩平?」


「そう。それでいいよ」


「浩平」


「ん?」


「ありがとう」


「ありがとう、か。いつか絶対
 好きって言わせてやる。見てろよ」



そう言ってにっこりと笑う浩平を見て、
少しだけ気持ちが楽になった。


ここ一週間不安だったの。


このまま付き合ってしまっていいんだろうかって、
ずっと考えていた。


だけどその答えを
浩平がくれたような気がする。


あたしの気持ちはここにある。


ちゃんと浩平を好きになれる。


今じゃそう、断言できるよ。


いつか好きって言えるようになるまで、
あたしはあたしなりのペースで歩いていこう。



浩平が傍にいれば、百人力だと思うから。