そして、6年ぶりの実際の再会を果たした。
昔は身長差がなかったのに、もう15センチもある。
なんか、素敵に見えた。
素敵なカフェで、でっかいパフェを食べて、笑って。
その笑顔が素敵だった。
なんか、いつのまに大人になっていた。
ゲームセンターでクレーンゲームで遊び、いっぱい笑っていっぱい話した。
そしたら、プリ撮ろ!といって来た。
(プリとは通称プリクラのことで可愛く見せるための加工がされる写真機である。)
まだ、一度もあの領域に踏み込んだことがない僕は怖くて怖くて仕方なかった。
あの密室な空間、何か特別のような空間が襲って来た。
入ってみたら何にもない少し綺麗でデコレートされて、でかい証明写真の機械だと思うことにした。
ここで思い出した。
あのとき、二人で密室なトイレでキスをしたことを。
ファーストキスを奪われたことを。
「チュッ」
そう音を鳴らしキスをした。
そしたら、咲は数秒固まり、動かなかった。
咲は顔が真っ赤になり抱きついて来た。
「今まで、ずっと私のこと嫌がってたと思ってたのに。」
咲は涙を流していた。
「幼稚園の時トイレでキスした。あれが僕のファーストキスだったんだ。だから、今仕返した。」
と僕はいった。
400円払っているのに、もうただの空間と化したプリ機の中で二人は濃厚なキスをした。
全ての写真がこちらを向いてないものだったが、ただ一つだけ、二人がキスしている写真が残った。