「なっ……」

「なっ?」

殴ってやりたい……

このクソバカ俺様王子をねぇ!!

「あっ、あの〜」

「なに?」

ーーピキッ

どこかで割れる音が聞こえた。

フフフ……

「殴ってよろしいでしょうか」

あたしも負けじと、満面の笑みで言った。

「おっ、おい!落ち着けよ!」

「別に?落ち着いてますよ?」

努めてクールに冷静に。

「いっ、いやいやいや!落ち着いてねぇじゃん!」

あからさまに焦っている悠。

「「……」」

なぜか見つめ合うあたしと悠。

「プッ!アハハハハ!」

吹き出して笑い合った。

久しぶりだな、こんなに笑ったの。