えーと、着きました。でもーー
「……ねえ、なーに?ここ」
「なにって、見りゃあ分かるだろ」
そう、ここには、たくさんの指輪が並んでいた。
「そーじゃなくってー!どうしてここにいるかってこと!」
「あ〜……虫除け」
「は?」
虫除け?虫ってあの虫?どうして指輪で虫除け?
「……面倒くせぇ……」
疑問がってると、ボソッと呟いた。
「余計な男共を近づかせねぇようにだ」
あっ、なるほど。
いやいやいや!なに納得してるんだ?
「ほら乙女、選べ」
「……はーい……」
仕方ない。それにしても、綺麗だし、可愛い……
「わあぁ」
「……っ!」
指輪を見るのに夢中になってたので、悠が顔を赤くしていたことには、気づかなかった。
「ご結婚なさるんですか?」
「え?」
顔を上げると、美しい笑顔を浮かべた店員さんが、あたしを見ていた。
「えっ、ええ、まあ……」
「まあまだ、未定ですが」
と、あとから付け加えた悠。
「まあ!未定でなさるのに、指輪をご購入なさるんですね?お優しゅう旦那様になさりますね!」
「はっ、はあ……」
すみません、店員様……あたしは、“仮”の『婚約者』なんです……
「あっ、すみません。オススメとかってありますか?」
「はい、ございます。ご覧になられますか?」
「はい」
「かしこまりました。少々お待ちください」
そう言って、お店の奥に入っていった。



