「げ」



冷蔵庫を開けると、コーラがずらりと並んでいた。


すべてのコーラに「珠子の、拓海が飲んだら死」と書かれている。


珠子。


つまり、私だ。



拓海は弟。


あまり会話はしてないけど、仲良くはなさそうだった。






いや、こんなコーラ飲まないし。


糖分やばいよ、これ。



コーラに吸い寄せられていく手を押さえ込み、麦茶にする。





軽い誘惑なら、とめれる。


でも、アニメ相手では、まったく勝てない。








なんとなく、この体との付き合いは分かってきた。





麦茶をそそぐが、なかなかコップが口にこない。




ぬぅ、まだ抵抗する気か。