私たちのクラスはと言うと英語の授業真っ只中。

無駄に綺麗な発音で唱えられるチャッキーこと、佐々木先生の呪文のような言葉。



それを右から左に受け流しつつ、藤堂くんから意識を逸らそうと教科書に視線を向けた私は、既に何ページ目を開けばいいかも分からない状態。


佐々木先生がなんでチャッキーって呼ばれるようになったかは分からないけれど、私たちが入学した頃にはもう佐々木先生の愛称はチャッキーで確立していた。


やけに色白で、丸メガネをかけていて、おまけにアメリカンを感じさせるぽっちゃり体型。


ややハーフ顔のチャッキーは、見る人によっては外国人に見えないこともなさそう。


……うん、ハンバーガーとコーラがよく似合う。



教卓でご機嫌に授業を進めるチャッキーに、勝手にハンバーガーとコーラを脳内合成して、1人にやける私は相当ヤバいやつかもしれない。



窓の外からピーッとホイッスルの音が聞こえて、半ば無意識的に窓の外へと再び視線を向ければ、


何やら5組はチームに分かれてサッカーのゲームを始めたらしい。