副社長が裏で横流しをしていたのは、
本人から聞いて知っていた。
でも、まさか仲間が
市原さんだったなんて……。
意外な黒幕に驚いてしまった。
「あなたが会社に入ってから定期的に
横流しのルートを提供してくれた副社長は、
怠けてあなたを構うことに夢中になっていた。
その内に我々を煩わしく思ったのか……全てを
排除しようとしてきた」
「つまりお払い箱だ。
下手したら、我々も葬り出される。
その前に……原因を作ったあなたを利用して
逆に脅して契約を続行させる。例え
あんたを殺すことになっても……」
そう言うと市原さんは、
カチャッと折り畳みナイフを私に向けてきた。
キラリと光るナイフを見てゾッとした。
このままだと殺される……。
助けて……社長。
私は、命の危険を感じた。
その時だった。
倉庫の外からバイクの音がする。
えっ?バイク?
「何だ!?」
市原さんと叶先生の息子さんが驚く。
その時だった。