「うわぁ……大きいな。男物って」

ズボンの裾をまくりあげた。
副社長の服を着るなんて不思議な感じ。

ドライヤーで髪を乾かした後
リビングに戻った。

「あの……着替えありがとうござ……」

しかし言い終わる前に副社長は、スマホで私の姿を
パシャッパシャッと撮り出すではないか。

「えっ?ちょっと何をするんですか!?」

慌てて抵抗するが、すでに遅い。

副社長は、撮り終わると
ニヤリと笑いながらスマホをチェックし始めた。

「何って…新しい脅しのネタにするに
決まっているだろ。
俺の服を着た萌の写真を響夜に送ってみろ。
きっと逆上するぞ。アイツ…」

楽しそうにクスクスと笑ってきた。

そ、そんな!?

そんな事をしたら
社長に誤解を生むだけではなく
傷つけてしまう。

嫌だ……。