「うーん。そうなんだけどね。
でも人使い荒いのよね……今日も
危うく残業させられそうになっちゃって」

「あら。でもその分
期待をしているのではないかしら?
仕事をたくさん与えられるのは、それだけ。
萌に期待されているのよ!」

そういうものだろうか……?

「それなら嬉しいんだけど……」

社長は、私の事をどう思っているのだろうか?

少しでもお母さんの言った通りなら嬉しいけど
社長の顔が浮かぶ。

まぁ、ただの秘書だし……向こうも
そう思っているだけだろうけど。

「ねぇ萌。その社長さんは、カッコいい人なの?
萌にそろそろ春が来たのね」

なっ!?

「あら、顔を赤くして……図星かしら。
萌は、好きな人が出来たら
その人の話ばかりするから分かりやすいのよね。
私も会ってみたいわ」

クスクスと笑うお母さん。