切なそうな表情で私に言ってきた。

「行こう……」

状況を察した黒王先生は、
私の肩を抱きながら部屋から出て行った。

状況がまったく読めない私は、
唖然としていた。

どうなってしまったのだろうか?

まるで2人から
拒絶されたような気持ちだった。

「萌ちゃんだっけ?大丈夫かい?」

「は、はい。何とか。
あの……どういうことなんでしょうか?
副社長のトラウマって、何なのしょうか!?」

あの2人には、私の知らない何かがある。
そう思えて仕方がなかった。

複雑そうに眉を寄せる黒王先生。

「俺も詳しくは知らない。
萌ちゃんは、疑問を持ったことはないか?
何で朔夜が異状なほどに
他人の作る料理や飲み物を拒絶するのか」

えっ……?

黒王先生の言葉に動揺する。