会社に戻っても気持ちが
モヤモヤしたまま過ごした。
 
ハァッとため息を吐きながらパソコンで
見積書を作成していた。

「どうかなさったんですか?
さっきからため息ばかり吐いていますが」

市原さんが声をかけてくれた。

「いえ……ちょっと考え事をしていまして
すみません」

謝るが市原さんなら理由が分かるだろうか?

そう思った。
副社長と社長に何があったのか。

「あの……気になることがありまして
聞いてもよろしいでしょうか?」

「はい。何でしょう?」

「副社長は、異状なまでに社長に
執着しているというか……弄んでいる部分がある
ような気がするのですが、なんででしょうか?」

今、疑問に思っていることを尋ねた。

「うーん。それは、私も深くは分かりません。
ただ朔夜副社長は、
社長が居ないと生きていけません。
それだけは、確かかも知れませんね?」

えっ?
社長が居ないと生きていけない……?