すると副社長は、クスッと笑う。

「だが、響夜に言って正解だったな。
アイツは、世話焼き女房とか言われるぐらい
面倒みのいい奴だ。
母親の入院となれば、出さないはずがない」

「しかし俺なら貸さない。
お前の母親がどうなろうと俺には関係ないからだ」

ガーン!!

その言葉を聞いてショックを受ける。

副社長は、こういう人だと分かっていたけど
まさか、それ以上とは…。

勢いとはいえ、社長に頼んで良かったと
心の中で思った。

「それよりも入院費とはいえ
借金は、借金。
響夜は、返さなくてもいいと言っていたが
俺が請求することも出来る。
どうだ?また響夜に泣きついてみるか?」

「そうなれば……また響夜が
どうにかしてくれるかも知れないぜ。
kissまでした仲だしな」

にやりと不敵な笑みを見せる副社長。

な、何故それまで知っているの!!?

ゾクッと背筋が凍った。

この人……何を企んでいるのか分からない。
怖いと思った。