美味しそうな匂いが部屋中に広がる。
私は、焼きながらボーと考え込んでいた。

社長に頼んで………お金を貸して貰おうかしら?

いやいや。今は、大変な時だし
私は、社長に隠し事をしている。

社長に頼るなんて図々しいにも
ほどがあるわ!!

社長が聞いたら貧乏人だって呆れられちゃう。

「ゴホッゴホッ……」

布団から聞こえてくるお母さんの咳。

「…………。」

お母さん……。

私のために辛いのに我慢してくれている。
なのに私は、何も出来ない。

私が……何とかしなくちゃあ!!

すると副社長の言葉をフッと思い出した。

そうだ……副社長なら!?