ムスッとしていると
社長は、まだクスクスと笑っている。

彼の笑い方は、悪戯っ子の少年のようだ。

「さて、仕事に戻るか。
いつまでもこんな所に居たら市原が心配するからな」

「は、はい。」

私は、慌てて返事する。
しかし心の中は、モヤモヤしていた。

罪悪感からだろう。

その後は、仕事に追われるが
何とか勤務時間までに終わらせた。

残業はしない。
何故なら社長が早く帰ってしまうからだ。

私もそのまま自宅に帰った。
今日は、社長が用意してくれた
お肉とサラダがあるから。

「ただいま……」

「ゴホッゴホッ……お帰りなさい。萌」 

お母さんが咳き込みながら顔を出してきた。

お母さん!?